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田染幸雄の世界 自然との語らい

 
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<諏訪大社>

そして又或る日、女神湖からの帰り道、お諏訪様をお参りしたことがありました。
お参りを済ませ町を歩いていたとき、
酒屋さんの店先に緑の杉玉が飾られているのに気付いた彼が、寄ってみようと言いました。

新酒と酒粕を求めて、お店のご主人といっときの四方山話・・
何気なく私は、あちこちで別荘地が売り出されているようですが、
定住するとしたらどの辺りがいいのでしょうか、と尋ねていました。

当時、転居を考えていた私たちは、旅に出た折々にどこか良い場所は無いものか、
それとなく探す習慣がついていたようです。
〈松本辺りはどうだろうか・・〉と彼が話す時もありました。

しばらく考えていらしたご主人は、
〈この土地でといった、差し迫った事情があるなら別ですが・・
定住ということでしたら、お薦めはできませんね。
真冬の寒さは厳しいし、場所によっては水が出る・・湖に近いですからね。
また、山が近くて日照時間の短い所もあります。〉
私は、零下10何度になるというその寒さを思っただけで、尻込みしてしまいました。

その後も、あちらこちら思案したのですが、
〈海からあまり遠くない場所にしよう〉と彼が決断し、千葉に落ち着きました。

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<雪の道>

IMG_蓼科1


  
幼い娘を連れて、お正月の2日から女神湖ホテルに泊まった年もありました。

白樺湖から女神湖までは、諏訪発の小諸行きのバスに乗ればいいのですが、
その日はお天気がよくて暖かでしたので、少し歩いてみる事に致しました。

娘も、雪の道をめずらしがってご機嫌でした。
雪の斜面には、いろいろな動物の足跡が残っています。

〈ほら、うさぎちゃんのあしあとがある・・見てごらん!〉
私が指差す方を見たとたん、娘はぎゅっとしがみついてきました。

〈・・うさちゃんのあとあし、きらい!〉
〈ううん・・足あとよ、
うさちゃんがぴょんぴょんって走って行ったあとに残った足のあと・・
雪はやわらかいから、足の形が残ったの〉

〈いや! きらい! あとあし こわい・・〉とべそをかいています。
〈あのね、二人できれいな雪の上を歩いてみよう・・ね!〉

手をつないで1歩、2歩・・
〈ほうら、うしろを見てごらん・・!〉
〈ほらね、出来ているでしょ! 
二人で雪の上を歩いた時に出来た靴のあとが、ぽっこんぽっこんって残っているでしょ!
うさちゃんも、雪の上を走って走って、お山に帰って行ったのね。
その時できたうさちゃんの足のあと・・〉

じいっと靴あとを見つめていた娘は、ひと言
〈それでもやっぱり、あ・と・あ・し・きらい!〉

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<女神湖>

蓼科3


蓼科方面への旅では、当初白樺湖・蓼科湖畔に宿をとることが多かったのですが、
いつ頃からか、小諸行きのバスで“鍵引き石(女神湖入り口)”下車、
バス停の近くにあった“女神湖ホテル”に泊まるようになりました。

ホテルの庭には小さな流れがあって、よくそこで彼はデッサンをしておりました。
この時の小川の風景は、油でも描いています。 
(ホームページ“1980年代に描いた蓼科風景「小川」20P”をご覧下さい )

そして或る日、その日はとても寒い日で、丘の上を歩いていると、
手編みの毛糸の帽子をかぶっていた私は、
風が一吹きするたびに、網目の間から冷たい風が流れ込んできて、
“頭が凍傷にかかってしまいそう!” そんなぐちをこぼしながら、
彼の後ろにぴったりくっついて歩いていた・・そんな日がありました。
そして同じ日、女神湖では、多くの人がスケートを楽しんでおりました。

対岸のレストランでお昼にしようと、私たちは恐る恐る氷の上を歩きました。
みんな安心して滑っているのだから・・平気・・平気・・
“転ばないように・・”
それさえ気をつければいいのだと、わかってはいたものの、
天然の氷の神秘的な色合いに、底に引きずり込まれてしまいそうな
何とも不思議な気持ちにおそわれたことだけはよく憶えています。
そしてその夜、湖の方で異様な物音がするのでのぞいて見たら、
なんと、車が1台、湖の上を走っておりました。


(ホームページ上で、蓼科・女神湖付近を描いた絵を紹介しております)


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