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田染幸雄の世界 自然との語らい

 
23
 
フランス・バルビゾンにて(1)  1980年10月~11月



一年間ほどフランスに滞在する予定でパリに着いた私達は
パリ、またはその近郊で家を探しておりました。

そして3週間ほどたった頃
マント・ラ・ジョリからセーヌ川を渡った所にある町リメイ(Limay)で
アパートを借りられることになり、ひと安心いたしました。

ただ、一ヶ月ほどはまだ居住者がいるということでしたので
それまでの間、一度は訪ねてみたいと思っていた
バルビゾン( barbizon )に出かけてみることになりました。

その時のバルビゾン風景を紹介いたします。




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「バルビゾン・芸術家たちの村」

この標識はフォンテーヌブロー( Fontainebleau )の森のはずれ
バルビゾン村の入口に立てられていました。






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ミレー( Jean-Francois Millet )のアトリエとその表札を拡大したもの



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バルビゾン村の中央通りとミレーのアトリエ
上記ミレーのアトリエを、逆から見たところです。


ミレーのアトリエとレストランの間を入った所にホテルがあって
そのホテルで、私達は、3週間ほど過ごしています。  
      (レストランとホテルの経営者は、同じ人でした)


この写真の右手に、
ホテル アンジェりス・サン・テレームの表札が架かっているのが見えます。
拡大してみました。

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ホテルの庭の中央には大きな胡桃の木があって
時たま、二つ三つ、胡桃の実ががころがっている時もありました。
そしてバルビゾンを去るとき、お土産にと沢山の胡桃を頂きました。

今も我が家で愛用している胡桃割りは、その胡桃を割るために
街角の小さなお店で購入したものです。

記念にもなるので、少し高価な品をという私を制して
〈 いや、これで十分だ 〉
とゆずらず、根負けして買ってしまいました。
確かに実用的で、錆もせず・・
思い出になるので、今でもその時の値段表をつけたままにしてあります。
  9フラン・・当時1フラン≒50円くらいでした




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裏から見たホテルと裏口の門(右端)、ここからよく出入りしておりました


 


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フォンテーヌブローの森にある、ミレーとルソーの像
森には、このような巨石が沢山転がっていてリス達も遊んでいました。
( ルソー :Théodore Rousseau )


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シャイイ( Chailly )の教会の墓地で( 1980・10・31 )
右側がミレー、左側がルソーのお墓です。



このシャイイの教会の鐘の音が、
付近の村々に祈りの時を告げていたそうです。

バルビゾンからシャイイまではよく散歩をしておりますが
徒歩で2~30分ほどだったようです。
ちょうど晩鐘の舞台を思わせる、広い農地が続き
初夏の頃には、マーガレットのような白い花が咲く畑もありました。
農家の垣にはさくらんぼが実り、ばらの花が咲き乱れておりました。





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ここに、「 宝島 」の作者スチーブンソンが居住していました。
右手の塀の中に、村役場 (Mairie) がありました。
( スチーブンソン : Robert Louis Stevenson )



後日談になりますが、リメイの町でアパートを借りる約束は
フランス流に言うと、口約束(パロール・Paroles)に過ぎず
ご破算になってしまいました。
結果、友人と役場の方のご好意で公営のアパートを借りることが出来
胸をなでおろす思いをいたしました。
当初のアパートの暖房は薪ストーブ、それにひきかえ
セントラル・ヒーティングでしたので、これも幸いなことでした。





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10
 
フランス・バルビゾン


私達がバルビゾン( barbizon )に出かけたのは、1980年10月中旬のことでした。
そして、バルビゾン に入る前、
ユリー( Ury )という小さな村にも寄っています。
ここも、フォンテーヌブロー( Fontainebleau )の森のはずれにある静かな村でした。

散歩の途中でひろったりんごを、夜ホテルで、デッサンしています。
  

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           残念ながら保存が悪く、しみが出てしまっておりました



田染幸雄のメモ
  1980・10・18 11時過ぎバルビゾン到着。
  昼食後、付近を散策。ルソーのアトリエ、ミレーのアトリエを訪れる。
  夕刻近く、天候も回復し日が射してきたのでスケッチに出かける。
  寒い、しかし、夕刻の日射しに映える木々、家々の情景は
  一段と素晴らしかった。
  夜、淡彩で洋ナシをスケッチした。
  
  20日 バルビゾンの町並みをはずれること20分、広々とした畑が続く。
  人通りのない土の道をのんびりと歩く。
  遥か遠くに、村落らしき箇所も見えた。
  方角を変え、フォンテーヌブローの森を散策。
  かなり大きな岩が点在している。ルソーも描いたであろう樹木を眺める。
  昨日に続き、夕刻よりスケッチ。


バルビゾン滞在中は、このように、連日デッサンに出かけておりましたのに
現在残っているのはわずかでした。 





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田染幸雄のメモ
  26日 午前中は小雨で外出不能、
  階下のロビーの窓越しに裏の家をスケッチした。
  午後、傘持参で隣村のシャイイ(Chailly)までのんびりと
  道草しながら歩く。
  シャイイまでの所要時間は40分ほど。
  古い町で、再度、絵を描きに訪れたいと思った。







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田染幸雄のメモ
  26日 シャイイへの道中、道端にたくさん落ちていた
  洋ナシのような形と色のリンゴをホテルに持ち帰り
  スケッチ、淡彩をする。







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田染幸雄のメモ
  白い門の家をほぼ描き上げた後、3時過ぎ頃より
  ホテルの庭から、ミレーのアトリエ方面を淡彩スケッチした。





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田染幸雄のメモ
  30日朝、濃霧。
  窓から見える風景は、遠景が段々とぼやけ、素晴らしい情景だ。
  すぐに外出、畑が広がる土の道を歩く。
  やがて霧は晴れ陽が射して、従来の情景に戻ってしまった。
  結局スケッチ1枚に終わった。







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 シャイイの町風景です。(10月31日)






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タバコや兼レストランでよく一休みしたものです。
タバ〈 tabac 〉と呼ばれていました。

11月4日、とても寒い日でした。
ここで遅い昼食を済ませ、コーヒーを飲みながら
田染はスケッチをはじめました。
大きな薔薇の木・・
道をはさんだ向かいの家の垣根にありました。







次の2点は、原画ではなく写真で残っていたものです。


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左手にあるのがミレーのアトリエ、その向こうにホテルのレストランが見えます。
アトリエとレストランの間にはホテルに入る門があって
広い庭に続いており、庭の中央には大きな胡桃の樹がありました。







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中央通りのはずれ、フォンテーヌブローの森とは反対側にこの家はあります。
この家は、ミレーも描いていたそうです。







油彩画制作中の田染幸雄




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田染幸雄のメモ
  21日 朝食後、ミレーのアトリエ近くの町並みに、イーゼルを立てて描き始める。
  人通りもまばらな為か、環境にも直ちに慣れたようだ。
  描いているとき、新婚旅行中だという日本人に会い、少々会話を交わす。
  2時近くまで描き続け、明日に託す。
  昼食後は、スケッチブックを持って付近を散策、2点描く。







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田染幸雄のメモ
  22日 昨日の場所に行くも道路工事のため、後日に託し付近を歩く。
  町外れの閑静な場所が気に入り、描き始める。
  一時小雨!明日の制作が待ち遠しく感じられる気分だ。

  23日 昨日の場所に立ち描き始める。数人の子供達が寄ってくる。
  自転車で通りかかった女性、
  また、車を止めて降りてきた女性も、絵が欲しいと話しかけてきた。
  夕刻、同じ場所でデッサンを1枚描いた。

24、25日は降ったりやんだりの雨もよいの天候・・両日とも夕刻には雨が上がり
素晴らしい夕焼け空が望めました。









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田染幸雄のメモ
  27日 久しぶりの天気、描きかけの絵を持参して2時過ぎまで描き続ける。
  先日の自転車の女性と再会する。
  彼女は、他の女性も呼び寄せて、二人でしきりに感心している様子。
 
  28日 朝の陽がまぶしいほどの快晴。前日の場所に出かける。
  午前中、また午後も描き続け、夕刻、ほぼまとまったようだ。
  この間、前日の女性からりんご、胡桃を一袋ずついただき、
  さらに、彼女の家の中庭などを案内していただく。
  すれ違う町の人たちとも、言葉をかわせるほどに親しさが増し
  今日も一日、実に恵まれた楽しさの中で絵を描くことが出来た。

  29日 昼過ぎまで、白い門の家を、しめの段階まで描き続ける。
  3時過ぎから、ホテルの庭からミレーのアトリエ方向をモチーフに
  淡彩スケッチをした。
 







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田染幸雄のメモ
  11月1日 ホテルの庭からミレーのアトリエ方面を描き始める。
  日ごろはあまり人通りのないバルビゾンも
  今日ばかりは、祝日でもあるのか、日本人を含む観光客が多く意外の感。
  キャンバスを据えた日だまりは暖かく、制作は進行した。
  見物人?も多く、話しかけてくる人たちも。
  片付けたイーゼル、キャンバス、絵の具箱などを抱え
  ホテル入口まで行くと
  一足早く、子供たちがドアを開けて待っていてくれた。

  2日 昨日に引き続き同じ場所にイーゼルを立てて描き始める。
  風が冷たく、枯れ葉が乱舞、絵の具箱の上にも、手に持つパレットの上にも
  落ちてくる。
  2時近くまで描き続け、7割がたの進行か。
  今日も人が多く、道路脇はもとより、このホテルの中庭にも
  多くの自動車が止まっている。カフェも盛況。
  夜、タブローに少々の加筆をする。風が強いようだ、冷える。








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田染幸雄のメモ
  11月3日 奥の赤い屋根の家を訪問する。
  その家のご婦人から、
  中からの風景も見て欲しいと誘われていたので。
  庭からの眺め・・やや逆光ではあったが、気に入った風景だ。
  庭の一角にイーゼルを立て描き始める。
  冷えるも風がなく、辛うじて持続できた。
  昼食後も描き続けるが、寒さが身にしみる。
  傍らの池には氷が張り、婦人が割って娘に見せて下さっていた。  
  夕方、暖炉のある部屋に通され、栗を焼いてすすめられる。
  そして、明日はパリまで出かけるが、庭に入れるようにしておくとも。
  ご好意に甘えることにした。

  4日 昨日に引き続き、庭からの風景を描き始める。
  寒い、今日が最も冷え込むようだ。
  2匹の猫がじゃれてくる。
  娘にとっては絶好の遊び相手のようだった。










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